すこし不便なくらいが、心地よい【お気に入りのものたち】

最近、色んな物事が本当に便利になりましたよね。

便利になってありがたいと思う一方で、なんだか疲れるというか、

なんて感じることもあります。

そんなときはあえて「不便さ」を選んでゆっくりとした時間を楽しんでいます。

香りの良い木製のまな板

木製のまな板は、扱いがちょっと面倒。

使う前に両面を濡らさないといけないし、油汚れはつきやすいし、食洗器は使えないし、使い終わったら木目に沿って立てて乾かさないといけないし……。

でもプラスチック製のまな板と比べて包丁の当たりが柔らかい感じが好きで、いつも木製を使っています。

今回買い替えたのはヒノキのまな板なのでほんのりとした香りも良く、我が家のステンレスメインの無機質なキッチンに温かみを添えてくれています。

お湯がまろやかに？南部鉄器の鉄瓶

このリンゴのようなやかん、実は南部鉄器の鉄瓶なんです。

南部鉄器とは？

南部鉄器（なんぶてっき）は、岩手県の盛岡と奥州水沢で作られている金工品です。江戸時代中期に誕生した伝統工芸品で、南部藩で作られていたことから「南部鉄器」という名前が付けられとされています。
南部鉄器の特徴は、さびにくく長持ちすることや熱が均一に伝わること、保温性に優れていることなどです。鉄器ならではの重量と安定感、ざらりとした独特の風合いも相まって、素朴ながらの美しさも魅力となっています。

https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/nambutekki/

南部鉄器で沸かしたお湯は、吸収されやすい二価鉄が多く溶出されるため、継続的な使用で貧血予防・改善に効果があることが明らかになっています。

20歳くらいから慢性的な貧血に悩んでいたので、南部鉄器はずっと買ってみたいなと思っていた私。色々調べた結果、この「あかいりんご」という南部鉄器にしてはすごく珍しい形の鉄瓶に一目惚れ。すぐに購入しました。

といっても、1つ1つが職人さんの手作りのため、注文してから手元に届くまで半年以上かかりました。（今は注文後約15か月で納品みたいです）

お湯を沸かすのにも一定の使い方があって、夫は使うたび「面倒だな！」とぶつぶつ文句を言っていますが、私はこの面倒さもなんだか楽しい。

お湯もまろやかになるので、お茶やコーヒーはもちろん、白湯も美味しく楽しめます。

食洗器×の漆器

いただきものの漆器のお椀。

つけ置きはできないし食洗器も使えない。でも、コロッとした丸みを帯びたデザインと、木の柔らかさが使っていてとても心地良い。

写真はないけど、漆器のお箸もお気に入り。必ず手洗いをする必要があるけど、そんな手間が気にならないくらい使い心地が良いんです。

でも全部が手間のかかる食器だと、ズボラな私にはちょっと大変。本当に気に入ったものを少しだけ、大切に大切に使うのが向いていると感じています。

水濡れNGなオイル仕上げのダイニング

我が家のダイニングは、オイル仕上げなので水濡れがNGです。

実はこれを知ったのは、ダイニングセットが家に運ばれてから。お店ではそんなこと一切聞きませんでした。

水濡れNG（濡れたらすぐ吹けば大体okですが）なんて、結構大変じゃない？？

引っ越して最初の1か月はかなりナーバスになっていましたが（だって、こぼしてばかりの娘がいるから）、2か月たった今ではなんとなく気を付けるべきポイントも分かってきて、ダイニングの美しさを楽しみながら使えるようになってきました。

なによりこの色と質感は唯一無二。多少手がかかっても、家にいてくれる方が嬉しいのです。

待つ時間が楽しいぬか漬け

お漬物文化が盛んな県に住んでいるせいか、私も夫もお漬物が大好き。

これまでは浅漬けの素で手軽にお漬物を楽しんできましたが、引っ越しをしてからはぬか漬けを始めました。

漬けるときのひと手間や、漬かるまで1日、2日待たないといけない時間的な手間がかかるけど、かかった手間の分だけ美味しいお漬物をいただける。趣味と実用を兼ねているので何となくお得も感じます。

色んな素材を入れることでぬか床を自分好みに育てていけるのも、ぬか漬けの醍醐味。

最近はコスパ・タイパという言葉があるように、ひたすらお金や手間、時間がかからない便利なものが人気ですが、それだけだとなんだか味気ないし疲れちゃう。

多少手がかかっても、コスパやタイパが悪くても、本当に気に入ったものを使ってみる。

それだけでも、人生が少し豊かになる気がします。