『犬小屋アットホーム!』感想|犬好きだからこそ気になった犬目線

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図書館で見かけて、いいなと思って借りた、大山淳子さんの『犬小屋アットホーム!』。犬好きなので、やっぱりこういうタイトルは気になっちゃう。

犬と一緒に暮らす老人ホームのお話で、全体的に面白かった! 切ないところもあるけど、読み終わると温かさも残る一冊でした。

ただ、犬目線で語られるところは、私はちょっと入り込めなかったかな~。このあたりは好みが分かれるかもしれません。

※登場する犬の境遇など、物語の内容に少し触れています。

Contents

犬も人も、いろんな事情を抱えている

舞台は、犬とパートナーになることが入居の条件という、ちょっと変わった老人ホーム「ニーシャシャン」。

ここに集まるのは、元ヤクザや余命宣告を受けた男性など、それぞれ事情を抱えた人たち。犬たちにも、保護された過去や、闘犬として生きてきた過去があります。

人が犬を助けてあげるだけでも、犬が人を癒やしてくれるだけでもなくて。お互いにいろんなものを抱えながら、一緒に生きていくんですよね。

かわいい犬に癒やされる、というだけのお話ではないので、犬好きとしては切なくなるところも。でも、そんな犬や人に居場所があることに、温かさを感じました。

印象に残ったのは、闘犬として育てられたピットブル

特に印象に残ったのが、「殺し屋」というお話に登場するピットブル。

非合法の場で闘わせるために、相手の犬を一撃で殺すように育てられているんです。犬と暮らす老人ホームのお話で、こんな世界が出てくるんだ、と。

こういうアウトローな世界って、普段の生活では触れる機会がないので、それもあって印象に残りました。

怖い犬、というだけでは片づけられないですよね。人間にそういうふうに育てられて、その中で生きてきた犬なんだと思うと、やっぱり切ない。

犬にも人にもいろんな事情がある、というのが、特に心に残ったエピソードでした。

犬目線の語りは、少し好みが分かれるかも

この本には、犬の目線で語られるお話もあります。そこは、私はちょっと入り込めなかったかな~。

もともと、現実世界のお話にファンタジーっぽい要素が入ってくるのが、あまり得意ではなくて。犬の考えていることが言葉になっているのも、私には少しその感覚がありました。

でも、それだけじゃなくて。私が犬や動物の物語で好きなのって、相手が何を考えているのか分からないところなんだと思う。

今、何を思ってるんだろう。これでうれしいのかな。それとも、何か嫌だったかな。

言葉で教えてもらえないから、様子を見ながら想像して、試行錯誤して。一生懸命、愛するというか。

分からないからこそ、分かろうとする。そういう、人と犬との関わり方が好きなんですよね。

だから、犬の気持ちが言葉ではっきり分かると、私が好きな部分とはちょっと違ってしまうのかも。犬目線だからこそ気持ちが近くなる人もいると思うので、ここは本当に好みですね。

切なさもありつつ、温かい一冊

少し好みと違うところはあったけど、全体としては最後まで面白く読めました。

犬も人も、それまでの事情を抱えたまま、お互いに助け合って暮らしている。その姿がよかったな~。

犬が好きだからこそ切なくなる場面もあるけど、温かさも感じたい。そんなときに手に取ってみてほしい一冊です。

作品情報:大山淳子『犬小屋アットホーム』
参考:U-NEXT公式作品紹介

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